残業したい気持ちを抑えるには
転職したら、残業したくなってしまった
基本、家に帰ったらニコニコしていたい。職場でどれだけキツかったりウンザリしたり腹の立つことがあっても、家につくまでの間に気持ちがリセットされる。道すがら、家に帰るのが楽しみな気持ちに変わっていく。この心の変化が好きだ。
4月に転職した。今の職場は超零細企業。残業手当は出ないけど、長時間残業が常だった前の職場と同じくらいの給料をいただいている。仕事のペースは自分たち次第なので、早い方がいいけどムリはしないようにやっていこう、という、なんだこの天国。
ところが、最近まで「もうちょっと残業させてくれないかな」と思っていた。あれほど嫌だった残業を、今なお欲している理由はなんだろう、と考えた。
残業しないと不安な状況
原因は入社以来、生産性のある仕事がほとんどできていない、その焦りと不安からくるものだと気付いた。
今の職場は超零細企業。僕が入社する前まで、社長がほぼ一人で回していた。おかげで、いろいろなことが行き当たりばったりというか、仕事のフローもまともにできていない。業務を把握したくて書類を見せてくれと言っても、どこへ行ったのかわからない、とかザラにある。
製品開発をしましょうとか、販売ルートを開拓しましょうとか言ってるけど、このまま進めば間違いなく事故が起こる。せっかく転職したのに会社が傾く。あいするつまとこをかかえてろとうにまようことになるのだ。
なので、社内の情報整理と共有、書類整理とテンプレート化、ワークフローの整備から取り掛かっているのだけれど…探し物と調べ物に追われ、それを整理する日々。ものづくりを望まれて入ったはずなのに、それができないでいる。これは…しょうじきしんどい。なんだこれは。おままごとか。こんなものは早く終わらせて、本来の業務に取り掛かれるようにしたいんだ僕は。だから残業させてくれよおおお!
というのがしばらく前までの話。
ちょっとキツイかな、と思うスケジュールで仕事を組み立ててみる
しなくていいのに自ら残業なんて、どうかしている。時間が足りないから仕事が進まないのならともかく、工夫も努力もしないまま残業に逃げるのはよくない。
そこで、自分で少し高めの負荷をかけることにした。
- 2日かかると見積もった業務を、1日半で終わらせるようにスケジュールを組む。1日かかりそうなら午後3時までに、とか。
- 締め切りの短い仕事の合間に、中長期的な仕事の細かいタスクを挟み込む。
- 空いている時間で社内の情報整理、タスク整理、情報収集などあれこれ詰め込む。
大きな仕事の細かいタスクを割り込ませることで、「仕事が進んでいない」感覚からは解放されたし、一日の仕事量を自ら増やすことで、充実感を得られるようになった。長時間集中して仕事をするという以前のスタイルとはちょっと違うし、頭の切り替えがスムーズにできる場合ばかりではないので疲れるけど、少し前まで抱えていた変な焦りはなくなったように思う。
小さなストレスをかけて、大きなストレスを緩和する
マイペースの仕事には自律心が大事。以前は追われるばかりの仕事だったので、追われなくなったら途端にダラけてしまったのだと反省した。やりがいもまた、自分で作ろう!
また今回、小さなストレスをかけて大きなストレスが緩和したことに気づけたのは収穫だった。安易に残業に逃げていたら、気づかなかったかもしれない。今後に生かせるといいな。
しかし、まさか残業せずに済む職場で「残業したい」と思うようになるとは……。