「あか」を覚えたら「あお」を忘れ、ついでに父も忘れられた
『いろいろばあ』は、とても楽しい絵本だ。
絵本をめくりながら『あか』『あお』『きいろ』を何度も読み聞かせ、ブロックで遊ぶとき、それぞれの色のブロックを見せながら『あか』『あお』『きいろ』と言って聞かせること数日。息子に色を理解させようと試みている。
『あお』は比較的言葉にしやすいのだろう、割と早くから言えるようになった。
『あお』という言葉と色が結びついているとは思えないが、僕が「あお」と言えば「あお」と返せるようになった。次は『あか』だな。
「あ・か」
「あっか」
よっしゃ!
「そうそう。『あ・か』」
「あっか!」
やったよ!『あか』と言えるようになった!
「あか です。いろいろ……ばぁ!」
「あっか!」
「そうそう!あ・か!」
「あっか!」
「あお です。いろいろ……」
「あっか!」
え。
「あ・お です。」
「あっか!」
『あか』の自主練が始まった。『あお』と言ってくれない。
「おとうさん」
「あっか!」
「お・と・う・さ・ん」
「あっかー!」
『あお』と一緒に、おとうさんも忘れられてしまった。