息子が喋ってくれなくてさみしい。
教え方を間違えた。
「おとーさん」と言いながら鼻を指さしていたら、僕の指をつかんで僕の鼻に持ってくる仕草をするようになってしまった。
違うんだ息子よ。僕は君に「おとーさん」と呼んでほしいんだ。
それどころか、ちっとも喋ろうとしない。黙々と、実に黙々と遊ぶ。一時期「おとーたん」と言ってくれたアレはいったい何だったのだ。
近頃は全然喋ってくれないからさみしい。あーとかうーとか、泣きそうになりながら何か訴えることはあるけれど、それ以外はさっぱりだ。
気を利かせすぎると「黙っていても何でもやってくれるから」喋らないという話も聞くから、ちょっとほっといてみようかと思っている。……耐えられるだろうか、僕が。